キャラメル・ミント
────6年前の夏。
高校1年生だった俺は、高校で仲良くなった和真の家に遊びに来ていた。
「お邪魔します」
「多分姉ちゃんしかいないから」
和真の両親は仕事で不在らしい。
和真の部屋で、他愛無い話をしていた時、
「ちょっと、和真!!」
と、勢いよくドアを開け、女の人が入ってきた。これが、夏希さんだ。頭の上で髪の毛をお団子にしていて、タンクトップに短パンという、部屋着スタイル。
化粧していないであろう顔は少し幼げだが、綺麗だった。そう、俺が今まで見た女の中で断トツだった。
「わたしのアイス食べたでしょ!」
「は、何の事?」
「誤魔化してもダメなんだからね!冷凍庫に入れてたチョコレートのアイス!!」
「あー、」
和真の反応を見るからに、食べたのは間違いなかった。