キャラメル・ミント
「……と!…なと!ねぇ、湊ってば!!」
「え、ちょっ、」
「何ボーッとしてんの?」
数センチの距離に夏希さんの顔がある事に、昔の事を思い出していた俺は気付かなかった。
「っ、夏希さん近い」
「えー、湊照れてんの?可愛い」
そう言うと、夏希さんは、俺の顔をを両手で包み込み6年前と同じように触ってきた。
「姉ちゃん!!」
「やっぱり、湊の顔は凄く綺麗」
「っ、」
和真が止める声も夏希さんには聞こえていないようだ。
「え、湊?…きゃ、降ろして」
「和真、寝室借りるわ」
「はぁ、人のベッドではやめてくれよ」
「あぁ」
「家の主がソファっておかしくない?」
和真には申し訳ないが、俺はジタバタしている夏希さんを抱えて、寝室へ向かう。