キャラメル・ミント
「離してよ、真奈美」
「今、夏希が帰ったら場の空気悪くなるでしょ。それに、相手側の奢りだし、いっぱい食べて飲んだらいいじゃん」
「あー、もう!!」
真奈美を睨みつつ、わたしは座わり直した。
一応、社会人だ。みんな楽しく飲んでいるのに、場の空気を壊すわけにはいかない。
ここは、いっぱい食べて飲んでお開きになったらすぐ帰ってやる。そう思い、手元にあったビールを胃に流し込んだ。
「夏希ちゃん、いい飲みっぷりだね!どんどん飲もう!」
さっきわたしの肩に腕を回してきた男が、ニヤニヤしながら話しかけてくる。そんな彼を無視して、飲み続けた。
本当にイライラする。チャラい男は嫌いだ。