キャラメル・ミント

「離してよ、真奈美」


「今、夏希が帰ったら場の空気悪くなるでしょ。それに、相手側の奢りだし、いっぱい食べて飲んだらいいじゃん」


「あー、もう!!」




真奈美を睨みつつ、わたしは座わり直した。
一応、社会人だ。みんな楽しく飲んでいるのに、場の空気を壊すわけにはいかない。




ここは、いっぱい食べて飲んでお開きになったらすぐ帰ってやる。そう思い、手元にあったビールを胃に流し込んだ。




「夏希ちゃん、いい飲みっぷりだね!どんどん飲もう!」




さっきわたしの肩に腕を回してきた男が、ニヤニヤしながら話しかけてくる。そんな彼を無視して、飲み続けた。




本当にイライラする。チャラい男は嫌いだ。
< 3 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop