キャラメル・ミント
「じゃあ、行きましょうか」
「お世話になりました!どうぞ、彼女とお幸せに!!」
「いや、お世話になりましたって態度じゃないよな?」
夏希さんは、和真に追い出されたのが気に食わないのだろう。明らかに棒読みだ。
「あ、いいよ!わたし持つから」
「いいですよ、これくらい」
「ありがとう」
俺は、夏希さんの荷物を抱えて、玄関の外に出た。
「荷物少ないですね」
「あー、ほとんど処分したから。だって、あの浮気相手の女が使ってる可能性あるでしょ?コスメとか服とか、全部買い直したからね」
「……、」
「家具は、ほら、6年も付き合ってたら、思い出の物とか増えちゃうじゃない?それに、思い出すのも気分悪いから全部処分した」
「(男前すぎるだろ)」
荷物を後部座席に乗せ、車に乗り込んだ。