キャラメル・ミント
「夏希大丈夫?」
「もう、飲めましぇーん」
あれから、2時間、ハイピッチで飲み続けた結果、わたしは、酔っ払っていた。
「二次会は無理だね、タクシー呼ぶから帰りな」
「いい!歩いて帰るもーん」
夏の夜は、少し肌寒いが、お酒の入っている体には心地よい。
「ちょっと!夏希!」
歩いて帰ろうとするわたしを真奈美が止めた。
「歩いて帰りたい気分なの!」
「俺、夏希ちゃん送って行くよ」
と、チャラ男が話に入ってきた。
「いい、1人で帰れるもん」
「夏希ちゃんフラフラじゃん。いいからいいから、俺と帰ろ!」
「だから、嫌だって、」
「夏希さん」
嫌だって言ってるでしょ、と言いたかったわたしの言葉はわたしを呼ぶ声でかき消されてしまった。