暗鬱な君に花束を
Chapter1
「ねーねー、この後カラオケでも行く?」
「えー、ボウリングがいい!」
「ってか、式とかどうでもいいじゃんねー」
とかいう、派手めな女の子たちの声と、
「なー、あの子、美人じゃね?」
「高校でこそ彼女ゲットして、青春エンジョイしてやるー!」
「担任面白い人がいいなー、それか美人」
なんていう、わりかしチャラチャラした感じの男の子たちの声が両サイドから聞こえてきて、入学初日から絶賛混乱中。
その空気感についていけなくて、座席表通りの自分の席に座ってることで精一杯。
周りを見ても、人、人、人。廊下に出ても、外を見ても人。
高校ってすごいんだなぁ…って思った瞬間だ。中学のときとは比べ物にならない。