暗鬱な君に花束を
私がそう言うと、礼奈ちゃんは少しふくれっ面をしたあと、軽く笑った。
「もー……そーゆーこと言わないの!美羽が大事!大好き!」
嬉しいけど、礼奈ちゃんがなんでそんなに私を気にかけてくれるのかが、ちょっと不思議でもある。
でも、友達ってこういうものなのかな。
「…私ね、小さい頃は転校ばっかりだったし、嬉しいんだ。礼奈ちゃんと仲良くなれて」
「そっか。私も美羽と仲良くなれて嬉しい。…もう転校とかしないよね?」
「うん。今は一人暮らしだから!仕送りで暮らしてるし、バイトも始めるから大丈夫なの…!」
高校では、環境を変えたくて。頼み込んで、一人暮らしを許可してもらった。もともと家事は少しやってたし、あまり不自由はしてない。
バイト始めてお金に余裕ができたら、少しずつ可愛い雑貨とか飾りたいな。
そんなことを考えていたら、礼奈ちゃんが心配そうな顔で見つめてくる。