暗鬱な君に花束を
たどたどしい自己紹介になってしまっただろうか。
関根くんからの反応はなかなかない。
私が涙目になってきた頃、やっと関根くんは口を開いた。
「…そう。で、そっちは?」
「渋谷礼奈。っていうかあんた、美羽にその態度は何?私に対してはどーでもいいけど、この最強天使にその態度とか…ふざけてんの?」
そう言い礼奈ちゃんは、関根くんを睨みつける。
「なに言ってるの礼奈ちゃん…!?あ、あの、気にしなくていいからね!関根くん!気にしないで…!」
関根くんはしばらく考えるような素振りを見せてから、こう言った。
「…雨月でいい、美羽。…三条って長いから、こう呼ぶけど」
「あっ、うん!ありがとう雨月くん!」
私がそう言うと、雨月くんはそっぽを向いてポツリと呟くように言う。
「…なんでお前がお礼言うの。感じ悪いの俺なのに」
「え、そう…かな?感じ悪い?はよくわかんないけど、嬉しかったから“ありがとう”って出ただけだよ?」