暗鬱な君に花束を
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入学式が終わり、その後の先生の話も終わり。
みんな、そろそろ帰るんだろうな。
そう思った矢先、入学式して数時間、既に一際目立っている男の子が声を上げた。
「親睦会行く人~」
…あ、そうだ親睦会。
礼奈ちゃんがさっき、こういうことがあるかもしれないって言ってたっけ。
「…礼奈ちゃん、どうする……?」
「んー、パス。ああいうチャラついた男子が寄ってくるだろうから、私はやめとく」
「そっか…」
礼奈ちゃん、モテるだろうから男の子に関するトラウマでもあるのかな。ちょっと元気ない気がしたの、気のせいかな……?
「美羽がもし行きたいなら、私が行けないのは申し訳ないけど、椎名か関根雨月から離れないでおきなよ?守らせるから」
「んーん、礼奈ちゃんが行かないなら行かない。帰り道、どこかに寄ったりしよう?」
「お、入学式のときのこと、聞かせてくれるの?」
「へ!?……うん、わかった…」
とたんにニヤけだす礼奈ちゃん。…ちょっと意地悪だ。