暗鬱な君に花束を



「……ごめん、ウチの家族、ちょっと普通じゃないから。幸せそうだな…って」


そう言った眺の顔は、ひどく寂しそうで。


余計に罪悪感が募っていく。


「ごめんね…私、何も知らないでペラペラ喋って」


「俺こそごめん、空気悪くして」


「ううん大丈夫…!私、これから気をつけるね」


眺の前で、家族の話は禁止!


そう心に誓って少しだけ安心した。眺の元気ない原因がわかったから、眺はもう元気になってくれているはず。


そう思ったのは確かなのに、ちょっとだけ寂しいな、なんて思ってしまった。


「…美羽に謝らせるとか……椎名最低」


「礼奈ちゃん!そういうの大丈夫だから…!私がデリカシーなかったんだもん。仕方ないよ」


「でも椎名が最初から言ってればよかったのにさー、」


「その辺にしとけ」


雨月くん、止めてくれてありがとう。


礼奈ちゃんはいつも私のために言ってくれてるんだろうから、自分じゃ強く止められない。だから雨月くんがいるの、すごく助かる。


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