暗鬱な君に花束を



「三条ちゃんの高校での友達第一号は、私がなるって決めてたの!」


「……なんだそれ」


呆れたような、諦めたような声色の椎名くん。


こんなに楽しそうに言い合えるなんて、二人は元からの知り合いに違いない。


「とゆーわけで。仲良くしてくれる?三条ちゃん」


「えっ、あっ、うん…!嬉しい…ありがとう…!」


なんで渋谷さんがそんな風に思ってくれたのかはわからないけど、ただ単純に嬉しかった。


「天使すぎる…!美羽ほんと可愛い…!」


「えっ、え?」


天使?可愛い?…よくわからないけど。


でもそれよりも、“美羽”って呼んでくれた。それも嬉しい。


「あっ、ごめん!美羽、名前も可愛いから…呼んでみたくて。ごめんね?嫌だった?」


「うっ、ううん!なんかすごい…嬉しい、友達みたいで…」


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