暗鬱な君に花束を



私がそう言うと、なぜか椎名くんが盛大に吹き出した。


「…?」


「美羽~」


「えっ、どうしたの?二人とも」


どこか様子がおかしくなった二人に、どうしたらいいのかわからなくて、私はただ慌てるばかり。


「…友達じゃないの?」


上目遣いで、寂しそうに聞いてくる渋谷さん。


「……友達、なの?」


今まで“友達”というものができたことがなくて、どんな風に友達になっていくのかがわからない。


戸惑っている私は、質問に質問で返された渋谷さんが困っているのにも気づかなかった。


「…その…嫌?私と友達になるの」


「そんなわけない!…ただちょっと、今まで友達なんてできたことなくて…どんな風に友達作るのかわかんなかっただけ…なの。だからごめんなさい、こっちこそ、変な態度とっちゃったみたいで」


< 7 / 68 >

この作品をシェア

pagetop