拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
マンションに戻った私と奏さんは、何とも言えない気持ちのまま放心状態

でいた。

「小春は、小夜さんが母親だと思うか?」

「ん~、お母さんがいた記憶がないからよく分からなくて・・・。

 でも、小夜さんみたいな人が私のお母さんだったら素敵だなって思います」

「そうだよな、小春が隼人の妹なら、隼人と俺は兄弟か・・・。

 隼人ならいいが・・・という事は隼人が兄貴か・・・」

やはり不思議な気分のまま、その日は眠りについた。

次の日、小夜さんと隼人さんは一度桐生組に顔を出して、西に帰って行った。

五月さんからは、成瀬組に20年前起こった抗争の事、その時赤ちゃんだった

小春ちゃんが連れ去られたこと、20年経った今でもずっと娘を探していること

を聞いた。

鑑定結果がでるまで、後2週間・・・。

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