拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
それから桐生、成瀬の皆で食事をした。

その席で、お父さんから明日一日私と過ごさせて欲しいとお願いされた。

奏さんの許可も得て、一日家族団らんが決定した。

後から、食事の場に現れた、楽さんと月乃さんは、私が成瀬の行方不明に

なっていた娘だと知ると「世の中狭いわ~」と驚いていた。


次の日、成瀬の家族が泊まっているホテルに奏さんと向かった。

奏さんは、部屋まで私を送ると「お願いします」と頭を下げ仕事に行った。

部屋はスウィートルームでふかふかのソファーに皆で座って話をした。

昨日初めて家族と分かったはずなのに、不思議と他人行儀にはならず

自然に会話できている自分に心の中で驚いていた。

会話の中心は、私の事。今までどうやって生きてきたのか、奏さんとの

出会いや結婚生活、そして子供のこと・・・。

皆、子供の生まれる時には、必ず駆けつけると言ってくれた。

「じゃあ、皆でお昼を食べてから買い物に行きましょ」お母さんが言うと

「よし、小春は何が食べたいんだ?」とお父さんが聞いて来る

「じゃあ、パスタかな」

ホテルの中にあるイタリアンレストランに行くことに

「小春は、悪阻は大丈夫なの?」

「あ、うん、食べ悪阻みたいで、食べてれば大丈夫」

「なら良かったわ、食べれないのは辛いから」

言葉通り、もぐもぐ食べる私に、皆が笑った

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