拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
奏side

ここは俺が代表を務める表の会社「K'S コーポレーション」

今日も社長室で仕事に追われていた。

コンコン 「社長、栗山グループの栗山社長とお嬢様がお見えです」

「分かった、通せ」

「桐生社長、今日はお会いできて良かった。大事な話があったんですよ」

愛想笑いを浮かべ媚びたように近づく親父と、我儘放題に育ったような

着飾り香水臭い女。

「桐生社長、家の娘が社長に惚れてしまったようで、是非、結婚前提で

 お付き合いできないかと思いまして」

「桐生社長、私、栗山沙織と申します。社長の事が好きなんです。

 私と付き合ってください。私なら、貴方の仕事の手助けにもなるはず

 です。」

「申し訳ないが、その気はないのでお帰り頂けますか」

「社長は、あんな孤児の女が良いというわけじゃないですよね。

 あんな利用価値もない女のどこがいいんですか」

「ほお~、調べたんですか?では、俺が結婚していることもご存じですよね」

「別れればいいじゃないですか。分かれるのが面倒であれば、私が別れる

 ようにして差し上げますわ」

「不愉快だな、別れる気もない。栗山社長、もしご自分の会社が大事であれば

 お嬢様が勝手なことをしないようにして頂けますか、でなければ、どう

 なっても知りませんよ」

絶対零度の睨みをきかせ、釘をさす。
< 18 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop