拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
披露目前日

成瀬の皆が桐生組にきた、私と奏さんが呼ばれ広間に向かうと、衣文掛けに

飾られた、真紅の地に白い牡丹の花が咲き、金糸で彩られた素敵な振袖が

かけられていた。

「綺麗~」

「明日、小春が着るのよ。娘の晴れの日だもの」お母さんが言った。

明日の日のために、成瀬で用意したらしい。

「明日まで、小春は家族水入らずで過ごすわよ。奏君いいわね」

「あ、はい」渋々と言う様子で奏さんがこたえた。


それから私は成瀬の車で連れ去られ、宿泊するホテルに

ホテルでは、久々の対面に私の大きくなったお腹を見て、お父さんと

お兄ちゃん、こーちゃんは嬉しそうにし、男の子と知ると

「桐生と成瀬の子だからな、将来が楽しみだ」と言っていた

ホテルで夕食を食べ、お風呂にお母さんと一緒に入った

お母さんは、私の肩の痣を見て、

「この痣があったから、また小春に会うことができたのね」

しみじみと言って涙ぐんだ

広いベットにお母さんと横になり、いろんな話をして夜は更けていった



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