拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
コンコン そんな中、徹が部屋に入ってきて組長に何か告げた。

「小春は腕の切り傷だけで、腹のガキは大丈夫だ。だが、何針か縫うそうだ」

成瀬の組長と若頭がホッと息を吐いたのが分かった。

「岩波の、娘は諦めろ。西の宝に傷をつけたんだ、それ相応の処分が必要だろ。

 西に連れていく、この前一人壊れちまったからな替えを探していたところだ

 丁度いい」

「ま、まさか・・西のあそこですか・・・」

「あぁ、当然だろ」

成瀬の組長の言葉に、愕然とする岩波組長・・・。

それもそのはずだ、西の成瀬には、変態共を相手に何でもありのエゲツナイ店が

ある、俺も一度見た時があるが鬼畜といわれる俺でもあの変態共の世界は遠慮

したい、そんな店だ。そこに岩波のお嬢を連れていくというのだ、岩波組長も話

には聞いたことがあるようで、顔面蒼白だ。

「まさか、娘のために組を潰すのか?」

成瀬の組長は、嘲るように冷たい目を向け言う。

「パパ!パパは私を助けるわよね!」

自分がただ事ではない状況に陥っているのを悟ったお嬢が叫ぶ。

「岩波の、桐生と成瀬を相手にやり合うか、俺達はそれでもいいぞ」

組長の鋭い射抜くような視線と言葉に、岩波組長の顔には汗が浮かぶ。

「・・いえ、娘はいなかったものと・・・」

苦渋の決断が口からもれる。
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