拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
それを聞き、成瀬組長が組員に目くばせし、岩波のお嬢が連れていかれた

岩瀬組長は膝から崩れ落ちるようにその場に蹲る。

残された2人のお嬢は、未だに震えが止まらず泣き崩れている。

「お前たちは、どうするか・・。手は出してないとはいえ加担していたからな」

再び、加藤組、高山組の組長は頭を下げ詫びをいれる。

「二人の気持ちは分かった、桐生の地下で一か月預かって返そう」

一瞬喜んだ両組長だったが、直ぐに自分たちの娘の行く末に気づき下を向いた

桐生の地下は、成瀬程ではないにしても極道の下っ端たちの性欲処理の場だ

一か月で戻っても、今までのような暮らしは叶わないだろう

二人のお嬢は桐生組の組員達に連れていかれた

「処分は以上だ。3人は今まで以上に組を盛り立てるよう努めるように」

3人の組長は項垂れ、部屋を出て行く。

張りつめていた部屋の空気がやっと緩んだ気がした。

「おい、組に何も制裁がなくていいのか」成瀬組長が言った

「いや、取りあえず組のものに様子を見させておく、少しでも変な様子が

 あれば、直ぐにでも潰せる用意はある。このまま組までやっちまって

 恨みの矛先が小春に向いても面倒だからな、泳がせる」

「まあ、ならいいか」

「よし、小春のところに行くか」

そんな夜叉3人の後ろにつきながら、小春ちゃんを護ると強く心に決めた

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