拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
自分が奏さんに運ばれた後、下でそんなことが起きてると知らない私は

心配そうに私の体を支える奏さんの腕の中、榊さんに刺された腕を見て

もらっていた。

「こりゃーちょっと縫わないとなぁ、ここだけ少し麻酔するからね。」

そういうと刺された部分だけ麻酔をし縫っていく。私は怖くて奏さんの胸に

顔を埋め処置が終わるのを待った。

縫合が終わって直ぐに、お父さん、お兄ちゃん、パパが部屋に来た。

元気そうな私の顔を見ると、皆安心したようにホッとしていたが、念のため

病院で赤ちゃんを診てもらうもらうと伝えると、心配そうに渋い顔になった

「大丈夫ですよ、今も何ともないし」

「もちろんだ、何かあってたまるか」若干、鬼の奏さんが見えた

「親父、お灸は据えといたんだろうな」

「あぁ、うちの店で無給でバイトすることで許すことにした」

「小春に手を出したお嬢は、西のうちの店でバイトだ。頑張って働くそうだ」

「ほう、改心するといいがな」

「そうですね、あまり酷いことにならなくて良かったです。」

会話の裏の事は知らず、素直にそう言う私に皆は優しい眼差しを向けていたの

だった。

会場の事はお父さんたちに任せ、私と奏さんは病院に向かった。

幸いにも、赤ちゃんには全く異常はなく順調と太鼓判を押してもらいマンション

に戻った
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