拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
奏さんは入院中、毎日病室に来てくれた。

お母さんが病室に泊まっていた1週間以外は、病室に泊まって私の側にいて

くれたので、寂しくはなかったが、反対に寝てばかりいる自分に申し訳なく

なってしまった。

「今はこうして寝ているのが、小春の大事な仕事だ。元気な赤ちゃんを

 産むんだろ。じゃあ、今は我慢の時だな。産んだらそれこそ寝れない

 くらい大変らしいぞ、今のうちに寝ておけ」

そう言って私を宥めた。

後から知ったが、病院は完全看護のため基本付き添いはいらないらしいが

奏さんが、力に物言わせ無理やり泊まっていたらしい。

知らない私は、奏さんと一緒にいられる嬉しさでのほほんと過ごしていた

そんな入院生活も3週間でやっと終わりを迎えた。

お腹の張りも治まり、無理はしないようにと注意されマンションに戻った。
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