拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
後から聞くと、かなり安産で初産にしては時間もかからず軽い方だった

らしい。あの痛みを思い出すと、あれで軽いって・・・。

あまり考えないようにしよう。

結局、出産したのは夜中3時ということもあり、皆には朝連絡することに

「奏さん、名前は決めたんですか?」

今回、名前は奏さんにお願いした。親としての最初の仕事。

「あぁ、これでどうだろう」

手帳に書かれた名前を見せる。

    “ 蓮 ”

「蓮(レン)だ、蓮の華は泥の中に咲くだろう、俺たちのいるこの極道の世界は

 ドロドロに汚いがその中でも、蓮自身が蓮の華のようにキレイに咲き誇って

 いけるようにと思ってな」

「とっても良いです。私も気に入りました。桐生 蓮ですね!」

   “桐生 蓮” 3月3日 AM3:00  3300g


夜が明け、奏さんが連絡を入れると、面会時間が始まって直ぐから、

皆がやってきた。

パパと五月さんが来たところで、奏さんが出生届けを出しに行った。

「今、見てきたけど奏にそっくりね。名前は?」

「はい、蓮です」

奏さんが私に話してくれた名前の由来を伝えると、「良い名前ね」

と微笑んでくれた
          
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