拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
第二章 出生
五月side

「小夜さん、お久しぶりです」

「あら、五月さん、お久しぶりね」

わたしは、気になることがあり西の成瀬組姐の小夜さんに電話していた

「ちょっと、お聞きしたいことがありまして・・・。」

「ん、なんでも聞いて。」

小夜さんにしたら、思い出したくないことかもしれない・・・でも・・・

もしかしたら・・・自分の感を信じてみようと、意を決して重い口を開いた

「辛いことを思い出させるのは、十分承知の上でお聞きしたいんですが、

 小夜さんの行方不明の娘さんのことなんです・・・」

電話の向こうで息をのむのが聞こえた

「娘の何が聞きたいの・・」

「娘さんは、20年前の抗争で行方不明になったんでしたよね。」

「ええ・・」

「それから、行方はまだ分からないんでしょうか?」

「そうよ・・」

「娘さんに何か身体的な特徴とかはないですか、例えば“痣”とか・・

わたし、前に小夜さんにその子の肩に痣があると聞いた気がしたんですが」

「ええ、そうよ。右肩の後ろにハート型の痣があったわ」

やっぱり・・・

「その子の名前は・・・」

「名前は・・・小春よ。成瀬小春。生きてれば今、20歳ね」

やはり、これはもしかすると・・・
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