拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
次の週、私と奏さん、蓮の3人と司さん、徹さん、護衛の人たちで西に

向かっていた。

西の成瀬までは6時間程かかるので、途中で高速を降り、温泉に一泊する

予定になっている。ちょっとした家族旅行だ。

蓮は可愛いくまさんのロンパース、フードを被ると可愛い耳が現れる

手に持つキャラクターのぬいぐるみは蓮の涎でべとべとになっていた。

そのぬいぐるみで、「バ~、ブ~」と喋りながら奏さんの頭をバシバシ

叩く蓮は、ある意味最強かもしれない。

冷酷と周りから言われる奏さんも、蓮には優しいパパで口角を上げながら

相手をしている。

「奏もちゃんとパパしてたんだねェ、その優しさを少しでも俺達に向けて

 もらいたいものだよ」

そんな様子をみて司さんが感心したように言う。

「あ゛!誰がお前達に向けるかよ!」

私はそんな二人を微笑ましく見ていた。


高速にのって一時間半、車は大きなSAに停まった。

「ここで少し休憩します。」徹さんが言う。

お手洗いにはいり、蓮のオムツも替える。

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