拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
お兄ちゃんの話に、私と奏さんは顔を見合わせてしまった。

お兄ちゃんの片思いかぁ・・・。

奏さんは思う所があったのか私を部屋から出し、お兄ちゃんの部屋に

残った。部屋から出された私がみんなのところに戻ると、心配そうな

顔のお母さん。

「隼人は、優しいところがあるから、色々考え過ぎちゃうのかもね。

 私も、一般人だったけど春樹さんに出会ってこの世界に入ったけど、

 反対する人も多くて苦労したの。それを隼人は知っているから、なか

 なか踏み出せないのかもね」

そこには、成瀬組の姐ではなく母親の顔があった。

私にも、いつかそういう日が来るのだろうか・・・。

「お母さんは、お兄ちゃんの好きな人を知ってるの?」

「うん、私の行きつけの花屋さんだからね。凛ちゃんっていうの

 とってもいい娘よ」

「私もその凛さんに会ってみたいんだけど・・・。」

その時、お兄ちゃんの部屋にいた奏さんとお兄ちゃんがが戻ってきた

「小春、俺と買い物に行かないか」

奏さんの顔を見ると、行ってこいという顔をする

「うん、いいよ。奏さん、蓮を頼みますね」

「あぁ、行ってこい」

蓮を奏さんにお願いして、私は兄の後に続いた



< 64 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop