拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
凛side
小さな頃から、花が好きだった私は高校を卒業すると家から程近い花屋
に就職した。そこは、南仏をイメージした建物でお洒落な花屋さんとして
人気のお店だった。
一生懸命勉強して、オーナーからアレンジを任せてもらえるようになった時
には飛び上がる程喜んだ。
そんな、色とりどりの花に囲まれ充実した毎日を送っていた私に一つの出会い
が訪れたのは、お盆の夏真っ盛りの暑い日のことだった。
お店に夏にもかかわらず、真っ黒なスーツをきた綺麗な顔の男の人が花を
買いに訪れた。
「仏壇に飾る花が欲しい」
高くもなく低くもない、心地の良いゆったりとした話し方。
予算を聞き2つの花束を作った。
「あぁ、綺麗だな。ありがとう」
口角を上げながら、その口から感謝の意が紡がれ、その人は店の前に停めて
あった黒い高級車に乗って帰っていった。
「成瀬の若は帰ったのか?」
オーナーの声が後ろからかけられた。
「・・・成瀬の若?」
「ああ、さっきの色男だ、成瀬組の若頭。凛ちゃんは知らないのか?」
「・・・・・」
「ヤクザだ。いい男だが、凛ちゃんはあまり関わらない方がいいのかもな」
「そうなんですか・・・」
「困った事があったら、直ぐに言ってくれよ」
「・・・はい」
小さな頃から、花が好きだった私は高校を卒業すると家から程近い花屋
に就職した。そこは、南仏をイメージした建物でお洒落な花屋さんとして
人気のお店だった。
一生懸命勉強して、オーナーからアレンジを任せてもらえるようになった時
には飛び上がる程喜んだ。
そんな、色とりどりの花に囲まれ充実した毎日を送っていた私に一つの出会い
が訪れたのは、お盆の夏真っ盛りの暑い日のことだった。
お店に夏にもかかわらず、真っ黒なスーツをきた綺麗な顔の男の人が花を
買いに訪れた。
「仏壇に飾る花が欲しい」
高くもなく低くもない、心地の良いゆったりとした話し方。
予算を聞き2つの花束を作った。
「あぁ、綺麗だな。ありがとう」
口角を上げながら、その口から感謝の意が紡がれ、その人は店の前に停めて
あった黒い高級車に乗って帰っていった。
「成瀬の若は帰ったのか?」
オーナーの声が後ろからかけられた。
「・・・成瀬の若?」
「ああ、さっきの色男だ、成瀬組の若頭。凛ちゃんは知らないのか?」
「・・・・・」
「ヤクザだ。いい男だが、凛ちゃんはあまり関わらない方がいいのかもな」
「そうなんですか・・・」
「困った事があったら、直ぐに言ってくれよ」
「・・・はい」