拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
数日して、西の成瀬の小夜さんと隼人さんが来る日になった。

桐生組は、朝から失礼の無いように皆ピリピリとした空気が張りつめていた

「成瀬の姐さんと若頭がお着きです!」

黒スーツの組の人達が玄関前に整然と並ぶ。

車のドアが開くと

「「「 お疲れ様です!! 」」」

車から降りてきたのは、鳶色の髪を肩まで伸ばし一つに束ねた精悍な顔立ちの

男の人と、同じ鳶色のストレート髪が背中の中程まで伸び、ハッキリとした

二重に鳶色の瞳が美しい女の人だった。

二人は、私達の待つ応接室に入ってきた。

「小夜さん、隼人君、お久しぶりね」

「雄大さん、五月さん、お久しぶりです。そして、奏君結婚おめでとう」

「ありがとうございます、嫁の小春です」

「小春です。はじめまして。遠い所をお出で頂きありがとうございます」

「貴女が“小春さん”なのね。なんて可愛らしい人なのかしら、家に欲しい

くらいだわ」

「小夜さん、小春だけは渡すわけにはいきませんから」

「ホント、溺愛なのね・・フフフ」

小夜さんはそんな奏さんの様子に目を細めていた。
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