拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
「今回私が兄に呼ばれたのは、一般人だった私がヤクザの主人と結婚する時の

 心境を聞きたかったみたいなんです。実際、私は主人と出会ってから、色々

 と怖い目にも遭いました。攫われたり、ナイフで刺されたこともあります。

 自分が凛さんに想いを伝え、そういう怖い思いをさせてしまうんではないかと

 不安に思っているんです。

 ましてや凛さん自身の気持ちも分からないので・・・」

妹さんの話は、私の予想を超えるものだった。

こんな、儚く綺麗に見える人が攫われたり、ナイフで刺されたなんて・・・。

本当に怖い世界なんだ・・・

「凛さん、今日の夜、兄と会って欲しいんです。凛さんにその気がないの

 なら、ハッキリと兄に言ってもらえませんか。

 でも、もし凛さんにも兄と同じ気持ちがあるのなら、私達も協力し皆で

 凛さんを護りますから、考えてみてください」

話しが終わると、妹さんは私を家の近くまで送り、後で連絡すると言い残し

去っていった。

部屋に入り考えた・・・隼人さんのこと、今までの事、これからの事・・・。

20:00 妹さんから電話がきた
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