拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
3月3日の雛祭り、蓮が1歳になった。

桐生組には、多くのお祝いの品が届いていた。

「蓮、誕生日おめでとう!!」

一歳になった蓮は、よちよちと歩くようになり、奏さんのことは「パー」

私のことは「マー」と言うようになっていた。

一升餅を背負わせると、3歩ほど進んだところでお餅につぶされてしまい

皆で笑ってしまった。


そうして、桜も咲いて4月1日、桐生家に新しい家族が増えた。

名前は   “樹(イツキ)” 

大樹のように大きく成長してほしいという願いが込められている。

今回も、奏さんに名前をお願いした。

樹が生まれた日はエイプリルフールということもあって、陣痛がきたと言った

私に五月さんは「小春ちゃん、騙そうとしてもダメよ」と言い

パパたちも「予定日はまだ先だろ、その手にはのらないぞ」と笑っていた

ただ、奏さんは私の様子に本当だと分かったようで

「車を用意しておけ!」と指示を出し、周りが「ん!?」と思った時には

破水した私を見て、周りが慌てて動きだしたのだった。

奏さんの動きは早く、タオルで私を包み車に運んだ。

「病院、急げ!」その声で、徹さんが車を出し、病院につくと直ぐに分娩室に

運ばれた。

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