拾い物は危険な新婚生活のはじまりでした
小夜side

久しぶりに、東の五月さんから電話がきた。

いつもは、ハキハキと元気な五月さんの雰囲気がちょっと違う

話すと、私の行方不明の娘について聞きたいという

今は大丈夫だが、20年前の西は荒れていた。家の成瀬組に取って代わろ

した組が裏切り、組員が何人も犠牲になった。

そんなゴタゴタした中、私と生まれたばかりの娘が乗った車が襲われた

車がぶつけられ、抱いていた娘が攫われてしまった。

必死に探したが、なかなか見つからず、最後の情報は攫った組の人間が

その子を殺そうとしたところ、赤ん坊に罪はないと、その場から子供と

共に組員が消えてしまったという事だった。

それから、20年。未だに娘は見つかっていない。

でも、何故今頃五月さんが娘の事を聞いて来るのかが分からない。

話しは、長男の奏君が結婚した話になった。

お嫁さんは、とってもいい子らしい、その子を五月さんも気に入ってるのが

伝わってくる。

お嫁さんと温泉に行ったと、お風呂でその子の肩にハート型の痣があったと

“えッ!ハート型の痣”

赤ちゃんの時、捨てられていて孤児院で育った、そして、誕生日は4月13日

名前は“小春”・・・まさか・・・

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