仁瀬くんは壊れてる
 まさかの。
 玲二くんからの、告白。

「はあ!?」

 顔を真っ赤にさせる、沙羅。

「なんでそうなんのよ」
「そういう流れかなと」

 合ってるよ、玲二くん。
 これぞファインプレーだ。

「ちがうのか?」
「うちのこと。今更、そんな目で見れないでしょ?」
「たしかにな。見れないと、思ってた。けど。今、俺の前で真っ赤な顔して俺のこと引き止める沙羅は。アリだな」
「全然嬉しくない」
「なんでだよ」
「花に未練タラタラなクセに」

 それをわたしのいる場で言っちゃいますか。
 いいけどさ。

「そうだ。俺は、女々しいやつだ。でも、沙羅なら。そこを引っくるめて俺のこと好きって言ってくれるんじゃねーの」
「…………」
「どうなんだよ」
「っ、」
「腐れ縁の、いまいちカッコつかない俺のこと。そんな風に見てくれるか」
「そんな風にしか見れなくなってきてるから。……困ってんの」

 沙羅、かわいい。
 いつもの沙羅と雰囲気がまた違って。

 これが恋する乙女モードの沙羅なんだね。

「花」
「!」
「花のこと。好きになれて良かったと思う」
「……うんっ」
「そんでもって。沙羅のこと。幸せにしてやりたい」
「うん」
「応援。してくれるか」
「もちろん。心から祝福するよ」
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