仁瀬くんは壊れてる
エピローグ
#12


 巧くんに、手紙を書いた。

 沙羅のお姉さんの家で初めて小さな子供と触れ合ったこと。

 生理が遅れてきたこと。

 巧くんとの未来、想像したこと。

 それから巧くんの誕生日が近かったので、メッセージカードを一緒に入れた。

 病室に持ち込めないものってあるかもしれなし、なにを送って大丈夫なのか判断に迷い、カードだけにした。


 数日後。


 朝、携帯の通知音が鳴り。

 沙羅か玲二くんかなって思ったんだけど――


 【仁瀬巧】


 その表示に、震えた。


 急いでメッセージを開きたい気持ちと。
 開くのが怖い気持ちが、ある。

 どうして携帯から?

 こんなの初めて。

 わたしから、学園祭の和服姿で沙羅と写ってる写真を送ったときは。
 既読もつかなかったのに。


 巧くんから…………だよね?
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