仁瀬くんは壊れてる
――解放なんて、してあげない。
そう言われた気がして。
サアッと血の気が引いていく。
このひとは。
わたしが、ボロボロになるまで追い詰めてくるつもりだろうか。
そのためなら。
――――沙羅だって利用する。
そう。
あの日捨てられた、図書室の本のように。
そう言われた気がして。
サアッと血の気が引いていく。
このひとは。
わたしが、ボロボロになるまで追い詰めてくるつもりだろうか。
そのためなら。
――――沙羅だって利用する。
そう。
あの日捨てられた、図書室の本のように。