仁瀬くんは壊れてる
――色づいた。
輝きが、戻ってきた。
かけがえのない友人と。
かけがえのない時間を過ごすことは。
…………許されますか?
制服の、下に。
誰にも言えない秘密が隠れている。
昨日残された、たくさんの“痕”。
「27日」
玲二くんの声で、我に返る。
「空けてるんだけど」
…………!
「誕生日。祝うんだよな?」
「もち!」
二つ返事でこたえたのは、わたしではなく沙羅だった。
「場所は、レイジの家でいいよね?」
「俺はかまわねーよ」
「花、最寄り教えるからそこまで来てよ。うちが迎えに行って。駅から一緒に行こ」
すごく行きたい。
二人に祝ってもらえたら、どれだけ幸せだろう。
でも、仁瀬くんが。
“行くな”って、言ったら?
「他に誰か呼びたい人、いる?」
ホカ……?
「狭いところですが〜」
「おい、俺の家だぞ」
一番に、浮かんだのは――あのひとだった。
誘うわけ、ないのに。
誘ってくるとも思えない。
知られたくない。
誕生日会のこと知られれば、きっと、台無しにされる。
「なになに? 誕生日?」
「そう! 花の誕生日パーティー!」
「え、あたしも行きたい!」
会話に参戦してきたのは、果歩と理沙だ。
二人は昨日最後まで残っていたメンバーで、仁瀬くんに抱き寄せられるところを見られたので気まずい。
そんな心配も、
「花ちゃんだから。お花買っていこうかな」
「花柄のグッズとかは?」
祝福ムードになったことで、むず痒さに変わる。
「いいよ、プレゼントとか。そういうのは」
「なにいってるの。誕生日なのに」
「でも」
「いつ? どこでー?」
――友達なんて作るな。
いやだよ。
わたし、友達が、欲しい。
関係を大切にしたい。
――僕とだけ繋がってろ。
ねえ、仁瀬くん。
どうしてあなたは、わたしを縛るの?
輝きが、戻ってきた。
かけがえのない友人と。
かけがえのない時間を過ごすことは。
…………許されますか?
制服の、下に。
誰にも言えない秘密が隠れている。
昨日残された、たくさんの“痕”。
「27日」
玲二くんの声で、我に返る。
「空けてるんだけど」
…………!
「誕生日。祝うんだよな?」
「もち!」
二つ返事でこたえたのは、わたしではなく沙羅だった。
「場所は、レイジの家でいいよね?」
「俺はかまわねーよ」
「花、最寄り教えるからそこまで来てよ。うちが迎えに行って。駅から一緒に行こ」
すごく行きたい。
二人に祝ってもらえたら、どれだけ幸せだろう。
でも、仁瀬くんが。
“行くな”って、言ったら?
「他に誰か呼びたい人、いる?」
ホカ……?
「狭いところですが〜」
「おい、俺の家だぞ」
一番に、浮かんだのは――あのひとだった。
誘うわけ、ないのに。
誘ってくるとも思えない。
知られたくない。
誕生日会のこと知られれば、きっと、台無しにされる。
「なになに? 誕生日?」
「そう! 花の誕生日パーティー!」
「え、あたしも行きたい!」
会話に参戦してきたのは、果歩と理沙だ。
二人は昨日最後まで残っていたメンバーで、仁瀬くんに抱き寄せられるところを見られたので気まずい。
そんな心配も、
「花ちゃんだから。お花買っていこうかな」
「花柄のグッズとかは?」
祝福ムードになったことで、むず痒さに変わる。
「いいよ、プレゼントとか。そういうのは」
「なにいってるの。誕生日なのに」
「でも」
「いつ? どこでー?」
――友達なんて作るな。
いやだよ。
わたし、友達が、欲しい。
関係を大切にしたい。
――僕とだけ繋がってろ。
ねえ、仁瀬くん。
どうしてあなたは、わたしを縛るの?