vrafara
そりゃあ
生まれた時からお隣さんだし
親同士仲良しだし
ちいさな頃は
「塔矢くん」、「ゆらちゃん」
なんて、
呼び合ったり
一緒に遊ぶことももちろんあった
でも
一緒に何かしたことなんて
小学校にあがったばかりの
ほんとそれくらい小さな頃くらいしか
記憶にない
しかも
背中にカエル突っ込まれたり
落とし穴に落とされたり
かくれんぼで置いて帰られたり
…遊んだっていうより
一方的に
いじめられて泣かされたものしかないけど…
まあ…
よく言えば明朗快活
悪く言えば悪ガキなこいつと
基本外より家のあたしじゃ。
やりたいことも楽しいことも
全くの正反対なわけで。
こいつにしたら
あたしのやることには
イライラしかなかったのかもしれない。
小学校の高学年になる頃には
同じクラスになろうが会話なんかほぼ皆無。
中学に上がった頃には
校内では同級生の誰1人
幼なじみだって
気がつかないほど。
真っ赤どころか
真っ赤っかな他人
なのになぜか。
「…なんで毎日、家の前で待ってんのよ」
そう。
小学生の頃からずっと。
一日も欠かさず。
タイプも性格も全く合わないのにも
関わらず
なぜか登下校の時には必ず
隣にはこいつの姿。
何度も何度も
何で?どうして?と
文句言っても
返ってくるのは
「うるせー、口開くヒマあるならさっさと歩けや」
…この憎たらしい減らず口。
なんなのこいつ
ほんと意味がわからん