vrafara



別にどうしても
一緒に行かなきゃ
路線一本の学校にたどり着けないなんて
そんなアホなことがあるわけない。


うちが超がつくほど
過保護な家なわけでもない。


なのに
毎朝毎朝、家を出ると必ずいる。


支度が遅いだの、文句つけるわりに
別に何か喋るわけでもなく
つかず離れずな距離でついてくるように歩いて。


何より不可解なのは
顔見たらイライラするくせに
毎朝、日課みたいに待ってること。















…一人で学校行きたくないとか…?








ないない。

こいつ、そんな寂しがりやみたいな
可愛げのあるタイプじゃ絶対ない。


一人でいる方が
多分楽ってタイプだと思うし…。







それに…


褒めたくも
認めたくも無いけど

一緒に歩きたい女の子なんか
こいつがひと声あげれば
両手に余るくらい出てくる。




光を通すと綺麗な栗色になる
サラサラな髪

均等の取れた小顔に長い手足
それなりに育った細身の高身長

鋭い黒い目


成績は中の上、
スポーツ全般、苦手なものは見当たらない


性格は………
正直、そんな付き合いもないから知らないけど



多分
大半の女の子達には
ちょっとした注目物件。



あたしのクラスの女の子でも
こいつがいいって噂してる子いたもんなあ

かわいい子だっていたし
逆にあたしと一緒じゃ

いろいろチャンス逃すだろうに。
















「…もしかして人に言えないほどの
方向音痴で、一人で学校行けないとか…」


「黙れ豆ツブ」









ほんと不快…







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