モンスターハンタールチフェル
「それじゃあまずはあの木を狙って撃ってごらん」



 シックルは近くに生えていた人間くらいの太さの木を指差してそう言った。

「う、うん……」



 レインは少し緊張しながらも、ジェイドテンペストにさっき渡された弾丸を装填し、それを腰の辺りで構え、右手の人差し指をトリガーに掛け、そして軽くトリガーを引いた。



 バシュゥゥゥ!!



 ボウガンは小さい火薬の爆発音を立てて、銃口から小さい金属の塊を射出し、それは見事にシックルが指名した木へと一直線に飛んでいき、バスッと音を立ててヒットした。



「ほう、なかなかやるじゃないか!
 なるほどね、腕前も親譲りってわけかぁ……」



 レインは自分が当てた事に一番驚いていて、その後も装填した残りの五発分もほぼ正確に最初に当てた場所へとヒットさせる。



「よし、じゃあ早速実戦へと移ろうか!」

「じ、実戦!?」

「当たり前だよ、依頼の目標を狩るまでは帰れないからね!」

 シックルはそんな事を言うと先に外へと続く洞穴をくぐって行った。
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