モンスターハンタールチフェル
 オオナズチは激しい痛みに悲鳴を上げながら立ち上がると、背中の翼を羽ばたかせて空へと高く舞ってしまった。そして真っ直ぐ何処かへと飛んでいってしまった。

「撃退したの!?」

「いやまだだ…」

 どうやらいったんこの場所から離脱しただけだったようだ。

「どうやら丘の方に逃げて行ったようだな」

「急いで追いかけるわよ!」

 アンとノアは武器をいったんフックに掛けて、森の出口へと向かって走って行った。

 ・ ・ ・

 そしてアンたちがオオナズチと苦戦していた頃、アレックたちの乗る竜車がようやく目的地、砂漠に着いた。

 空からは太陽が光を照らし、砂ばかりのこの広大な砂漠では陽炎があちこちで見られる。

 そんな中、アレックたちは直射日光を避けるためにキャンプの中に避難していた。

「予想してた以上に暑いわ」

「僕、なんか熱射病で倒れそう」

「何で砂漠なんて選んだんだよ」

 三人はそれぞれ文句を言いながらベットに腰を下ろした。

「せめて密林のダイミョウザザミにしてくれよ」

 今さら言っても仕方なかったが、じっとしていると熱気が体中を取り巻いて余計暑かったので言ってみた。

「ちょっと、そういう事は早く言ってよ! わざわざこんな所来なくても良かったんじゃない!」

(まさかこいつら気付いてなかったのか?!)

「ルチナがちゃんと依頼を全部確かめないで決めるからだろ!」

「ちょっと二人ともケンカは止めてよ!」
< 202 / 645 >

この作品をシェア

pagetop