モンスターハンタールチフェル
「ほんと、過去に両親を亡くして、それのせいでお互い記憶喪失。
 そして右手に残る謎の傷痕……

 本当はあたしたち双子だったりして!?」

 名探偵のような仕草をまねし、何を言い出すかと思ったらいきなり変な事を言ってきた。



「双子はまずありえないな」

(双子なら性格やら髪質やらその他諸々、似たようなものがあるはずだ。
 だがこいつとは過去の出来事と傷以外何も似ていないじゃないか。
 それにこんな妹は要らないな)

「ちょっと今変な事考えてなかった?」

「いや、気のせいだ」



「ところでルチナこそ、どうしてハンターになったのさ」

 おかしな殺気を感じる前に話題を変えて身の安全を確保した。

「え、あ、あたしは……

 そうね、強くなりたかった。
 強くなっていろんな人を守りたかったの。
 もうあたしの過去みたいな事は起こしたくなかったわ」

 なんかルチナにしては結構良いことを言うじゃないか、と思ったアレックだった。



「それと、あたしの両親を殺した飛竜に復讐してやりたかった。
 これも拾ってくれた親から聞いたわ。
 そいつは銀色の体をした、伝説とも言われた飛竜〝銀リオレウス〟よ」
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