白衣の先生に恋しました。
あんな低い声も初めて。
あんな冷めた目も初めて。
孝がまるで知らない人みたいで…怖くて。


あのまま腕をもう一度傷つけられる、
そう感じる事が出来たくらい。


「陽奈ちゃん…大丈夫だよ…。
もう、誰もいない。大丈夫、安心して」


怖くて思わず腕を掴んだら、先生も
それに気づいたみたいでそう言った。


「…っ…」


「陽奈ちゃん…」


「怖い…です……も…何もかもがっ…
…耐えられない、っ…」


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