好きです─。*恋物語*《短編》
談話室のソファーに腰を下ろして気持ちを伝えられればそれで良い…自分の気持ちを聞いてくれるだけで私は満足なんだもん。
寂しい気持ちと、どこか吹っ切れた様な妙に清々しい気持ちが入り交じって…冷静な心構えが出来ている。
しばらくしてバインダーを持った和田さんが戻ってきた。
「お待たせしました、こちらなんですけど─」
計画書を見ながら淡々と説明をする和田さんの表情はいつもと変わらないクールな横顔で…これが最後なんて思わせない雰囲気だ。
「─と、いう方向になります。宜しければ署名をお願いします。」
『─はいっ。分かりました。』