強すぎる彼女と優しすぎる彼
「ごめんなさい。」
佳子が謝るとプランナーが気をきかせてお茶を新しくしてくれようと席を離れた。
「どうした?調子悪い?」
心配そうな龍仁に佳子は笑顔を作り
「うんん。大丈夫。」
と告げる。それでもプランナーが席に戻ると龍仁は
「すみません。今日はこの辺で終了でもよろしいでしょうか。」
とプランナーに話した。
「大丈夫だって。すみません。」
佳子が慌てて龍仁を見る。それでも龍仁はまっすぐに佳子を見て佳子の手に自分の手を重ねた。佳子には龍仁がもう決めていることが分かり黙るしかなかった。
「すみません。こちらの勝手で。次回またよろしくお願いします」
龍仁がプランナーに頭を下げると佳子も一緒に頭を下げて二人は車に乗り込んだ。
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