強すぎる彼女と優しすぎる彼
ゼーゼーと呼吸音が苦しさをものがたっている。龍仁は佳子に声をかけながら佳子の使用した薬の容器や保険証、財布、お薬手帳などを用意していく。

「佳子。頑張れ」
佳子は龍仁の手を脂汗のにじむ手で握りしめる。
「救急車来るから。大丈夫だから。」
ひたすら励まし続けた。
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