強すぎる彼女と優しすぎる彼
空がすっかり明るくなったころ佳子は目を覚ました。
新薬にアナフィラキシーショックを起こしたことで呼吸困難になっていたといわれた。
「心配かけちゃったね」
まだ少しかすれる声で佳子が龍仁に話しかける。
「焦ったよ。体、大丈夫か?」
「うん。もう大丈夫。びっくりしちゃった。」
龍仁はもしも自分がいないときに今回のようなことがあったらと心配が倍増した。まして不妊治療は今のところ100パーセント負担を背負っているのは佳子という感覚がいつもあり、余計に自分は何もできないのに佳子ばかりつらい思いをさせてしまっていることに申し訳なさが募る。もう治療をやめよう、子供はあきらめようといいたくなる言葉をぐっと飲みこんでいる。
佳子は治療のステップアップができなかったこと、この先への不安が大きくなった。龍仁が治療をやめようといいだすのではないかと怖かった。
お互いに言葉にしなくても相手がなにを考えているかわかっていた。だからこを確信に触れるのが怖くてぎこちなく笑いあうことしかできない。
新薬にアナフィラキシーショックを起こしたことで呼吸困難になっていたといわれた。
「心配かけちゃったね」
まだ少しかすれる声で佳子が龍仁に話しかける。
「焦ったよ。体、大丈夫か?」
「うん。もう大丈夫。びっくりしちゃった。」
龍仁はもしも自分がいないときに今回のようなことがあったらと心配が倍増した。まして不妊治療は今のところ100パーセント負担を背負っているのは佳子という感覚がいつもあり、余計に自分は何もできないのに佳子ばかりつらい思いをさせてしまっていることに申し訳なさが募る。もう治療をやめよう、子供はあきらめようといいたくなる言葉をぐっと飲みこんでいる。
佳子は治療のステップアップができなかったこと、この先への不安が大きくなった。龍仁が治療をやめようといいだすのではないかと怖かった。
お互いに言葉にしなくても相手がなにを考えているかわかっていた。だからこを確信に触れるのが怖くてぎこちなく笑いあうことしかできない。