強すぎる彼女と優しすぎる彼
「懐かしい?」
龍仁の言葉に佳子は
「うーん。懐かしいけど戻りたくはないかな。」
「そっか」
龍仁は佳子が今回の授賞式でどんな反応をするかが少し気になっていた。

佳子はそんな龍仁の想いに気づいている。

「私ね、龍仁について北海道に行くとき本当は自分の築いてきたものをどこかであきらめるように思ってたの。」
「あきらめる?」
「うん。必死に就職してから頑張ってきたことを自分でストップかけちゃうように思ってた。結局私にとって仕事はほかにもあるけど、龍仁って存在はほかにいないから龍仁についていくこと決めたんだけどね。」
「うん。」
佳子の足の消毒が終わった龍仁は佳子の横に座る。佳子は窓からの景色を見ている。
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