強すぎる彼女と優しすぎる彼
龍仁が切なそうな表情を見せる。
「佳子にちゃんと自分の気持ち伝えなかったこと後悔した。」
「気持ち、聞きたい。」
「治療、やめてほしい。三年といわず、もうやめてほしい」
「・・・」
佳子の瞳から涙があふれる。
「つらいのに無理して笑って、佳子が死ぬんじゃないかって思いしてるところ見るのが俺には耐えられない。注射の針を刺してる姿すら見るのがつらいんだ。子供ができにくいのは誰のせいでもない。なのに、佳子が自分を責めてるようにしか見えないんだ。」
佳子はうつむきながら涙を流す。
「俺なりにいろいろ調べて副作用もあれば不妊治療をやめてもその体への影響はゼロじゃないって知ってる。」
龍仁は佳子の手を握る。
「佳子のせいじゃない。佳子。どんな佳子も俺はまるごと愛してる。佳子、もう不妊治療やめてほしい。子供のいない人生だっていいじゃん。俺と佳子、二人だっていいじゃん。それで埋められないなら何匹だって犬でも猫でも飼おう？それでもうめられないならロボットでもいい。なんだっていい。佳子さえいてくれれば俺は幸せなんだ。」
佳子は嗚咽して泣き始める。
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