強すぎる彼女と優しすぎる彼
妊活している間ずっと自分を責め続ける佳子を龍仁は見るのがつらかった。

挑戦しなかったら後悔するかもしれない。その気持ちはわかる。

でも挑戦してもダメだったら佳子の傷がどんどんと大きく膨らむようで龍仁は怖かった。


そんな龍仁の気持ちを佳子はずっと知っていた。
だからこそ龍仁の言葉を聞くのが怖くて言わないでほしいと止めていた。

でも今は聞く覚悟ができた。


今日、二人で並んでおそろいのサンダルを履いて手をつなぎ歩いたあの時に、覚悟は決まっていた。
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