強すぎる彼女と優しすぎる彼
「私、龍仁の赤ちゃん産みたかった。産みたかったよ・・・。」
「うん」
「つらかった。なんで私なのってつらかった。苦しかった。」
「うん」
「龍仁の赤ちゃん産めないなら何のために結婚したかわからないって思った。」
「うん」
「でも、幸せだった。龍仁と一緒の時間。きっと龍仁さえいてくれれば私もずっと幸せだって思う。そう思う。」
「うん」
龍仁は佳子の涙をぬぐった。
「龍仁はいいの?赤ちゃん、いいの?本当にいいの?」
「うん。」
「・・・」
その言葉に嘘はないと佳子が一番わかっている。
「もう、治療やめたい」
佳子が小さな声でつぶやいた言葉に龍仁は優しく微笑む。
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