強すぎる彼女と優しすぎる彼
「俺あさってから北海道に出張になったから」
「あさって?」
「うん。事前に北海道の支店のことわかっておきたいし。」
「浅岡企画のイベントは?」
佳子は自分も同行予定のイベントの話を出す。
「イベントの二日前には帰ってくるよ。広島だから帰ってきたら次の日には広島に移動かな。もしかしたら佳子一人で先に広島に行ってもらって、俺は北海道から直行かも。」
「大丈夫なの?」
かなりのハードスケジュールだと話を聞いているだけでもわかる。
「大丈夫大丈夫。」
佳子は心配で仕方なかった。
「大丈夫だって。」
「そう」
佳子は心配な気持ちの分だけ龍仁のお茶碗にご飯をよそった。
「俺太っちゃうだろ?」
「いいの」
不安そうな佳子を見ながら龍仁は自分を心配してくれる気持ちがうれしかった。
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