強すぎる彼女と優しすぎる彼
大きなキャリーバックに荷物を詰めて北海道へ行く支度をする龍仁の背中をじーっと見ていた佳子。そんな佳子に気づき龍仁はおいでと手招きして自分のほうへ抱き寄せた。


佳子は北海道に自分がついていかないとしたら……こういうことかと見えない未来をのぞいているような気持ちだった。

「大丈夫。すぐ帰ってくるし、連絡するから。お土産も買ってくるから」
佳子は何も返事をしないまま龍仁の荷造りを手伝い始めた。



二日後。
龍仁は北海道へと出発した。
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