強すぎる彼女と優しすぎる彼
「本当のことでしょ？」
桃は佳子のにらみにも負けない。司はすっと桃の隣に座った。
「ごはん、これからですか？」
「あぁ。課長会議が長引いて」
「お疲れ様です」
佳子の隣に龍仁が座るとすっと佳子は立ち上がった。
桃が佳子を見ると、すかさず龍仁が佳子の腕をつかんだ。

「今夜おごるから、もう怒るなよ。」
「・・・・・・」
「高島のステーキ重」
「・・・・・・」
「プレミアムビールつき」
「・・・・・・」
「デザートもつける」
「・・・・・・」
「しかも二種類」
そこまで無言で龍仁の話を聞いていた佳子は静かに席に戻った。

龍仁は何もなかったかのようににこやかに微笑んでいる。

桃は自分よりも佳子のあつかいかたがうまいと思った。

司はそんな三人をみて
「じゃぁここのデザートは俺のおごりな」
と付け加えた。
「やった。佳子選んでこよ？」
桃の言葉に佳子は微笑んで立ち上がった。
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